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makico
イタリア在住
イタリアの職人文化と革製品をこよなく愛し、ローマの片隅でゆるく生きてます。

ローマで出会った人やモノの素敵な物語を伝えていけたらと意気込みながら、マイペースにブログを書いたりサイトを運営したりしています。
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【バレンタイン発祥と起源の地はイタリア!】愛を守護したローマ司教「ヴァレンティヌス」の物語

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2月14日、世界中で愛の言葉が囁かれる日。

〝バレンタインデー〟

日本では、〝色々な種類〟のチョコレート選びに奔走しなければいけない、女性にとってはものすごく大変な時期…(ある意味では、男性にとっても…)

ここイタリアでのバレンタインデーの名称は、San Valentino」(サン・ヴァレンティ―ノ)。別名Festa degli innamorati」(フェスタ・デッリ・インナモラーティ)〝恋人たちの記念日〟とも呼ばれ、名前の通り〝すでに愛し合っている人たち〟が、お互いの愛を確かめ合うための日。

そしてもうひとつ、

日本のバレンタインデーと大きく違うところは、「ホワイトデー」が存在しないというとこと。

羊のハル
情熱的なイタリア人男性のバレンタインデーは、女性に花束を贈るのが一般的だよ。
羊のリリ
...女性たちはというと、例えばガッカリしちゃうような贈り物をされても、ちゃんと女優さん並みの演技力で喜んであげるんだよ。
makico
さすが、イタリアだよね~!!!

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バレンタインデーの聖人「ヴァレンティヌス」の物語

〝St. Valentine’s Day〟(聖バレンタインデー)の始まりは、実はイタリア「ローマ帝国」にあります。

この〝St. Valentine’s Day〟の名前の由来になったとされる人物こそ、バレンタインデーの由来とされる数ある伝承のひとつ〝愛の物語〟に登場する、「ヴァレンティヌス司教」

ラテン語で「Valentinus」(ヴァレンティヌㇲ)、現代のイタリア語で「Valentino」(ヴァレンタティーノ)。カトリック教会においては「聖ヴァレンティ―ノ(英:聖ヴァレンタイン)司祭殉教者」と呼ばれる、キリスト教の聖人のひとり。

この記事のポイント
紀元前のローマ帝国で己の信念を貫き、2月14日に処刑された〝ヴァレンティヌス司教〟。なぜ彼は処刑されたのか、どのような生涯を生きたのか...。バレンタインデーの伝承として残る〝ヴァレンティヌス司教〟の物語を紹介。
makico
最後までお付き合い下さいね!

なぜ、バレティヌスは処刑されたのか?

皇帝グラディウス二世の危惧

時代は紀元前3世紀のローマ帝国。

makico
この頃の日本は、卑弥呼が生きた 邪馬台国の時代!

ローマ市民からも人気を博し「神」として祀られた、皇帝〝グラディウス二世〟が統治する時代でした。

グラディウスニ世
兵士たちよ、覇気がないではないか!!!

この大事な戦いの中、そのような腑抜けた態度を示すとは何事か?!

ローマ兵
・・・大事な人が今も私たちの帰りを待っているのです。それを想うと誰もが皆、居ても立ってもいられなくなってしまうのです!!!

若い兵士たちの家族を想う気持ちが、ローマ軍全体の士気を下げてしまう状況を危惧したグラディウス二世。皇帝としてローマ帝国を守っていかなければならない立場から、思案を巡らせます。

(大切に想う者を持たなければ、このような気持ちを引きずる者もいなくなるはず...。それならば...)

グラディウスニ世
これより先、兵士たちの婚姻を全て禁止とする!!

これにより、ローマ帝国では、兵士の士気に悪影響を及ぼす「兵士の結婚」が全面的に禁止されることになりました。

ヴァレンティヌス司教の決断

makico
ヴァレンティヌスは、ローマ市民としてウンブリア州テルニ県に生まれ、キリスト教の司教とし布教活動に力を入れていました!

ローマ帝国にとってキリスト教は、新興宗教と同然の存在 であり、自由な信仰さえ簡単には認められていませんでした。その頃のローマ帝国では、ミトラス教(ミトラ教)が何よりも大きな力を持っていたからです。

そんな中で、キリスト教の布教活動のためにローマ全土を奔走していたヴァレンティヌス司教。若い兵士たちの嘆きを知り、胸を痛めます...

(皇帝陛下よ、未来ある若者たちの希望さえも奪うのか。何という酷い仕打ちをなされるのか…)

ヴァレンティヌス

...だが、司教である私ならば 秘密裏に結婚式を挙げさせること は可能ではないか?大切なのは「人としての尊厳」か、それとも「愛」か…。しかし、私は自分の信じる道を進む!

ヴァレンティヌスは、皇帝によって禁止されていた「兵士の結婚」を裏でサポートし、秘密裏に数多くの兵士たちの結婚式を執り行います。

しかし、皇帝による「法」が全てだった時代のローマ帝国。

皇帝という絶対的な権利の意思に背くことは、犯してはならない最大の禁忌であり、ヴァレンティヌスは異教徒として弾圧の対象にある キリスト教信者のひとりという立場にもありました。

それを承知の上で、自分の中に芽生えた矛盾から目を背けることなく、兵士ひとりひとりの愛と未来を守るため尽力を注いだ、ヴァレンティヌス。

しかし、その秘密が漏れてしまうのは時間の問題でした。

皇帝からの信仰を捨てろとの命にもヴァレンティヌスは首を縦に振らず、皇帝の前でイエスの教えを説きました。そして、その言葉に耳を傾けていた 皇帝の心が動き始めた頃...

ローマ市長
(ふざけるな、異教徒め)

・・・皇帝陛下、目をお覚まし下さいませ!あはたは騙されておりますぞ!幼き日より慣れ親しんだものを簡単にお捨てになるなど、あなたにできましょうか?

その結果、ヴァレンティヌは皇帝によって、異教徒弾圧に心を注ぐローマ市長の元へと引き渡されることになり、牢獄に囚われる身となります。

この時代だからこその〝愛〟があった

例えば、現代。

命をかけてまで、何かのために「信念」を貫き通すことができるか?…と、聞かれたところで間違いなく日本に生まれたほとんどの人たちが、そんな決断を迫られるような場面に遭遇することはないはず。

紛争のない平和な国では、命の重さが何よりも尊重される時代。

かつては、多くの国で愛する事にさえ 命を懸けなければいけない ...。そんな時代がありました。そして、投獄されてしまったヴァレンティヌス司教は、どのように愛の形を貫いていったのでしょうか?

makico
ヴァレンティヌス司教の物語は、牢獄での盲目の娘との出会いにより、一気にエピローグへと進んでいくことになります!

盲目の少女「アステリオ」との出会い

牢獄の中、ヴァレンティヌスは「アステリオ」という盲目の娘と出会います。

makico
この盲目の娘アステリオには、「看守の娘」「世話役の娘」「判事の娘」さらには「アステリオという人物の娘」...などなど、どういった立場の人物だったかについては 様々な説があります

アステリオは、ヴァレンティヌスの世話役として、彼が投獄されている牢を幾度となく訪れることで、二人は交流を深めていました。

アステリオ
ヴァレンティヌスさま、あなたが信仰されている「キリスト教について」私にもお話を聞かせて下さいませんか…?

ヴァレンティヌスから説教を受けるうちに、アステリオは次第に彼に惹かれ始め、二人の心はより深く深く繋がっていくようになります。

そして、驚くなような 奇跡❞ が起こります。

アステリオ
あ…目が見える…!!!

ヴァレンティヌスさまが、私に奇跡を起こして下さったのね・・・

この奇跡を目の当たりにしたアステリオの一家は、信仰を キリスト教へ 変えていきます。しかし、異教徒の台頭を快くは思っていなかったのが、強硬派であった ローマ市長

ローマ市長
・・・全員が「キリスト教徒」に?!

構わん、一族もろとも根絶やしにしてしまえ!!!

そして、アステリオ一家の処刑が執行された後、投獄の身であったヴァレンティヌス自身もまた、酷い拷問の末、最後は撲殺という形で、269年2月14日 に処刑が執行される事となりました...

それならばなぜ、この物語が「愛の物語」として語られるのか?

それは、処刑の前日。

ヴァレンティヌスが光を得たアステリオの元へ送ったと言われる 一通の手紙 にあります。死を覚悟したヴァレンティヌスが、想いを込めて彼女へと贈った 人生最後の教え が記された手紙でした。

最後は、以下のような一文で結ばれていたと言われています。

From Your Valentine

– あなたのバレンタインより –

ヴァレンティヌスが残した「聖バレンタインデー」

愛を信じ、己の信念を曲げなかった司教バレティヌスが命を捧げた日が、愛を告げる日 として現代に伝わっている「聖バレンタインデー」の始まり。

愛の守護聖人として祝福される「聖ヴァレンタイン」が遺した、彼の愛の物語の大切なポイントは、以下のふたつ。

  1. 愛し合う恋人たちへ 秘密裏に結婚の祝福 を与えた
  2. 愛の奇跡でアステリオの瞳へと 光の祝福 を与えた

このふたつの事柄こそ、聖ヴァレンタインが〝愛の聖人〟と呼ばれる由縁なのです。

しかし、本当にヴァレンティヌス司教という人物が存在したかどうかは、残念ながら歴史上では特定されていません。

これは、数多く残るバレンタインデーに纏る伝承のひとつ。

・・・ですが、

兵士たちの愛する想いを自分の命に変えて守り、自らも愛と信仰に生きたヴァレンティヌスの物語は、現代の私達の「バレンタインデー」という日に 少し特別な意味 を与えてはくれませんか…?

本命へのチョコであっても、義理チョコであっても、自分へのプレゼントであっても、手にするチョコレートひとつひとつに、ヴァレンティヌスが命を賭して守った〝想い〟を込めてみて下さい。

身の回りにある何かにも、物語を作った人がいたかも知れないこと、その想いを忘れないでいて下さい。

昨日までとは少しだけ違う気持ちで、バレンタインデーには勇気と信念も一緒に贈ってみて欲しいと思います。

Buon San Valentino!!!

makico
お読みいただき、ありがとうございます!
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