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サンタはホウキに乗った老婆の魔女?!イタリアのクリスマスに伝わる「ベファーナ」の物語

今回の記事内容はコチラ!

今回の記事では、ちょっと不思議なイタリアのサンタクロース「老婆の魔女ベファーナ」について紹介していきます。

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目次

イタリアのクリスマスシーズン

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日本でいうところの「年末年始」のような感じで迎えるのが、イタリアのクリスマスシーズン。

イタリア人にとっては家族が集まりって水入らずで過ごす、1年の中で最も大切な期間がクリスマス休暇のシーズン。

そして、その約2週間の長いクリスマス休暇を締めくくるのが、毎年子供たちが楽しみにしている「ベファーナ」(La Befana)と呼ばれる行事です。

これは、キリスト教の国でもイタリアだけに伝わるクリスマスの伝統行事。

なぜイタリアだけに伝わるのかというと、これはトスカーナの民間伝承キリスト教の祭事が上手に融合して生まれたものだからと言われています。

「ベファーナ」

この ❝ベファーナ❞ という謎の単語は、イタリアに伝わる伝承に出てくる「ホウキにまたがる魔女のおばあさん」の名前です。

クリスマス終盤のこの時期のイタリアでは、街のお菓子屋さんやBarなど街のあちこちに、魔女ベファーナの人形が飾りつけられます。

この老婆の魔女は、実はイタリアのサンタクロースでもあるのです。

1月6日の祝日

❝クリスマス休暇の終わりにあたる祝日❞の1月6日は、キリスト教では東方三博士が幼子イエスの元へ礼拝にやってきたと言われている日。

東方三博士とは?

東方の三博士(とうほうのさんはかせ)とは、新約聖書に登場し、イエスの誕生時にやってきて、これを拝んだとされる人物。

東方の三賢者(とうほうのさんけんじゃ)、または東方の三賢人(とうほうのさんけんじん)という呼称も多い。

三博士の名は、西洋では7世紀から次のような名が当てられている。

メルキオール Melchior(黄金。王権の象徴、青年の姿の賢者)
バルタザール Balthasar(乳香。神性の象徴、壮年の姿の賢者)
カスパール Casper(没薬。将来の受難である死の象徴、老人の姿の賢者)

引用:ウィキペディア

この1月6日は、イタリアでは「エピファニア」(Epifania)〝公現際〟と呼ばれ、キリスト教徒にとっては重要な祝日のうちのひとつ。

この祝日の前夜である1月5日、この夜に活躍するのが魔女のベファーナさん。

イタリアでは、子供たちがクリスマスの終わりである〝エピファニアの朝〟に、靴下の中に見つけるプレゼントは、実はサンタさんからではなく魔女ベファーナから届いたものなのです。

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その年に良い子だった子供には素敵なプレゼントを、そうではなかった悪い子供には黒い木炭を置いていくと言われています。

キリスト教行事「公現際」

日本人にとって、キリスト教の祝日やエピソードはあまり馴染みのあるものではありませんが、この1月6日のエピファニア(公現際)とは、ベツレヘム(パレスチナの都市)の地に生を受けた〝幼子イエス〟の元を、東方三博士が祝福のために訪れ日。

この東方三博士の訪問により、「幼子イエスの誕生が公となった」という出来事を祝う祝日です。

そのため、キリスト教徒にとってはクリスマスと並ぶくらい意味のある大切な日

魔女のサンタクロース

そんなイタリアにも、実はちゃんと「サンタクロース」は存在しています。子供たちからは、Babbo Natale の呼び名で親しまれています。

ですが、私たちがイメージする「靴下にプレゼントを入れてくれる存在」である〝サンタさん〟というのが、イタリアの子供たちにとってはベファーナなのです。

このベファーナの伝統行事と伝承があるのは、数あるキリスト教の国の中でも唯一イタリアだけ

これは最初に説明した通り、トスカーナ地方の伝承とキリスト教の祭事が混ざり合って生まれた「イタリア独自の文化風習」と言えるものだからです。

元々はいなかったサンタクロース

ローマのトレヴィの泉の近くにある、革工房「LEATHER CRAFTSMAN」の職人であるナタリーナさんから聞いたお話では、彼女が子供の頃には、現在のようにクリスマスにツリーを飾るという風習はなかったそう。

イタリアでも、今でこそ当たり前となっている〝サンタクロース〟(Babbo Natale)も、当時は存在すらしていなかったそうです。

クリスマスには、自宅に「キリスト降誕の場面を再現」したミニチュア模型である〝Presepe〟(プレセーペ)を飾り、クリスマスにプレゼントをくれるサンタさんというのは、子供たちにとっては、まさに魔女のベファーナおばあちゃんのみでした。

魔女ベファーナは、しつけに厳しい?!

誰にでも分け隔てない優しくプレゼント配るサンタさんとは違って、 時にとっても厳しい仕打ちをするのが、何を隠そうイタリア版のサンタさんである魔女ベファーナさん。

悪いことをした子供が用意した靴下の中には、彼女からプレゼントではなく容赦なく詰め込まれた真っ黒い木炭が。

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愛のムチ・・・?!

イタリアに来たばかりの最初の冬のこと

当時ルームシェアをしていた日本人の友達と私は、(友人がくれた)魔女ベファーナさんからのプレゼントを受け取りました。

膨らんでいる靴下の中身をワクワクしながら覗いてみると、見事なまでに「真っ黒い炭」が詰まっていました…。

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マ、マジか・・・!?

実際には、砂糖で作られた黒い炭のお菓子!

その妙にリアルな黒い炭の下に、チョコレートやキャンディーがいっぱい詰まっていたという素敵な思い出があります。

どんな子供にも1年間を過ごす中で、必ず「悪い子だった部分」「良い子だった部分」の両面があるため、ベファーナが贈るプレゼントの中には必ず炭とお菓子の両方が入っています。

老婆の魔女「ベファーナ」の伝承

さてさて、なぜイタリアではクリスマスにはサンタクロースではなく、魔女ベファーナは毎年子供たちにお菓子を届けるのか。

そこには、少し切ないクリスマスの物語があるからと言われています。

ベファーナの起源とされる伝承には様々な節があるようですが、今回は有力とされる節をひとつご紹介します。

東方三博士、輝くベツレヘムの星を目指して...


ある日、東方の三博士は、西の空に東の国では誰も見たことがないような星が輝いているのを見つけました。

三博士は、その星の輝きが「ベツレヘム」(現在のヨルダン)の地に、ユダヤの王となる〝幼子イエス〟が誕生した証であることを悟り、その輝く星を目指し、ベツレヘムまでの旅路に出ました。

ひときわ明るく輝く〝ベツレヘムの星〟を目印にして旅を続ける三博士でしたが、なかなか正しい道を見つけることができません。

困り果てた三博士は、ある一人の老婆に幼子イエスの元までの道筋を尋ねました。
三博士はその老婆へ「幼子イエスを訪れるための道案内をして欲しい」と必死に頼み込みましたが、村一番の働き者と評判だったその老婆は仕事を途中で放り出すことがどうしても出来ず、幼子イエスの元への道案内を断りました。

三博士が諦めてその場を去った後、老婆は〝自分も幼子イエスの元まで道を共にするべきであった〟と心から悔やみました。

バスケット籠の中に子供が喜びそうなお菓子やおもちゃなどをいっぱいに詰め、ホウキにまたがり、三博士の後を必死に追いかけました。

しかし、とうとう老婆は彼らの姿を見つけることが出来ませんでした。

そこで老婆は、道すがら幼い子供たちがいる家庭を見つけては立ち寄り、そこで出会った子供たちへ自分の持っているお菓子やおもちゃを全てプレゼントしていったのです。

子供たちの中の一人が「願わくば幼子イエスであるように」と、心からの精一杯の想いと願いを込めて。
 


今もなお、ベファーナがエピファニアに探し続けているのは幼子イエスの姿。真面目で働き者であったがゆえの、魔女ベファーナの少し切ない物語です。

老婆の魔女ベファーナ

そんな悲壮感のあるストーリーを背負っている魔女のベファーナさんですが、現在イタリアの街中に飾られる魔女ベファーナの人形は、ちょっと怖いながらも、どれもみんな素敵な笑顔をしています。

あれから長い長い時を経て、今ではクリスマス休暇の終わりになると、毎年イタリア中の子供たちが彼女の訪問を楽しみに待つようになりました。

もしかしたら、それはいつの日からか、魔女ベファーナの楽しみへと変わっていったのかも知れません。

この時期にイタリアを訪れる方は、魔女ベファーナの人形と炭のお菓子の、何とも不思議で素敵なイタリアのお土産はいかがでしょうか。

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