今回の記事内容はコチラ
実際に被害に遭われた方のご協力の元、ローマ市内で多発する「ぼったくりバー被害」の実際の勧誘手口について詳しくご紹介していきます。
ローマで後を絶たない被害者
テルミニ駅付近で旅行者風の男性から「一緒に飲もう」と言われたら、真っ先に〝ぼったくりバー〟を疑うべし!
ガイドブックなどでもお馴染みの「ローマのぼったくりバー」被害。広く知られた手口でありながらも、今も被害者が後を立たないもはや七不思議レベル…。
未遂なども含め、今でも絶えず被害が報告されているのがこちらの事案です。被害者が後を絶たないのは、それほど勧誘者の手口が巧妙だからに他なりません。
声を掛けられても相手にしなければ被害に巻き込まれることはありませんが、「自分は絶対にひっかからない」と思っている方も、ぜひ最後までお付き合い下さいね。
まずは対処法を覚えておこう
警察(113番)へ電話する!
万が一、同種の事案に巻き込まれた場合、クレジットカード等で必ず「会計処理を行う前」に、現場から警察に通報して介入を求めて下さい。
注意していてもひっかかる人は多数!
「自分は絶対に大丈夫」と思っていながらも、被害がなくならない「ぼったくりバー」の現実。被害に遭われた方の大半は、実は「ぼったくりバー」の存在は認知済み。
それでも起こってしまうのは、勧誘者のフレンドリーで完璧な演技と話術から。
この「勧誘役」をしている欧米人男性は〝完璧なローマ旅行者〟を装い、ご家族や旅程、仕事など、完璧な設定で言葉巧みに近づいてくるのです。
被害に遭われた後でも・・・
実際にお話を聞くまで、自分自身がぼったくりバーの被害者であることに気付いていなかったOさん。海外在住の一人旅の男性旅行者で、荷物にも本当に細心の注意を払い、スリ対策も万全の方でした。
あれがぼったくりバーの手口だったんですか?!
英語が話せるからこそ、余計に気付かないままでターゲットになってしまったんですね。
恐ろしい金額ですね・・・
ぼったくりバー勧誘の巧妙な手口
それでは、実際にOさんが体験した手口を見てみましょう!
旅行者を装い近づいてくる人物
※マルタ人と名乗っていたとの報告もあり!
旅行者を装った男性が語った内容
- 年齢50歳
- スペイン人 ※別の国籍を名乗る人物も!
- ミラノのモーターショーを見に来た
- ローマには2泊の滞在予定
- これから待ち合わせのバーで友人と飲む
- 翌日にヴァチカンに行くから、北側にあるバーで1時間だけ一緒に飲もう
- 日本や欧州の車業界やモーターショーに詳しい
- 奥さんが厳しいので、こういう時にしか遊べない
- 空手やテコンドーをやっている
- タバコは吸わない... など
男性の服装
- ジーンズとシャツ
- 茶系のジャケット
- きちんとした印象の服装
ナイトクラブに要注意
こちらで飲む場合は自己判断で…!
※Googleレビューに日本語でぼったくりの書き込みが多数あり。
こちらのお店のぼったくり被害については、他にも同様の情報があったので、勇気を出してシェアしますが、全ては自己判断にて自分の考えでの行動を。(逃げるも良し…)
実際に途中で逃げ出して、被害を逃れた方も!
主なターゲットは日本人男性
なぜ、狙われるのが男性かというと...
連れて行かれる先は、地下にある女性のいるナイトパブのようなお店だから。
「奥さんが厳しくて、こういう時にしか遊べないんだ」というセリフがここに繋がり、心理的にも相手を納得させる巧妙なトーク術は恐るべし!
男性の話す内容がきちんとしていたことから、ボトルを開けられても(海外で外国人と仕事をしているOさんからすれば)欧米人特有の単なる「悪ノリ」だと思ってしまったよう...。
Oさんはこの時点でもぼったくりバーだと気が付いていなかったので、〝金額を確かめずに飲んでしまった自分が悪い〟と思ってしまったそう。
日本人は良くも悪くも相手に強く言うことが出来ず、言葉の問題や海外にいることの怖さもからも、結局は要求を飲んでしまい、相手を責めるよりも自己嫌悪に陥る国民性。
彼らの主なターゲットは一人旅の日本人男性ですが、日本人男性2人組での被害情報もあるようなので、男性はとにかく要注意!
声を掛けられても相手にしない
万が一、お食事の後などに旅行者風の欧米人男性から声をかけられた場合は、何よりも知らない振りが一番です。ぼったくりバー勧誘者は日本人男性をターゲットにしているため、日本人が多い場所に出没します。日本人が多いテルミニ駅近くのレストラン「サンティ」も、そのひとつ。
もし気が付かずに答えてしまっても、そこから無理に態度を変える必要もありませんが、絶対に相手の誘いには乗らないこと。「一緒に飲もう」という口上には、何があっても絶対に乗らないこと!
サンティファミリーも心を痛めていますので、無駄にフレンドリーな白人男性の誘いには断じて乗らないようにしましょう。
巻き込まれてしまった時には?
不要なトラブルを避ける為にも、自分ひとりで何とかしようとせず、必ず警察に助けを求めることが肝心です!
万が一、同種の事案に巻き込まれた場合、クレジットカード等で「会計処理を行う前」に、現場から警察(番号:113)に通報して介入を求めてください。
なお、会計処理後の通報では、民事不介入の観点から、警察は被害届の作成に同意しないケースが多く認められます。このため、不服のある場合は、必ず「会計処理前」に警察に通報してください。
●問い合わせ先
在イタリア日本国大使館 領事・警備班
代表電話:(+39)06-487―991
「タダより高いものはない」!
「ぼったくりバー」は、どのガイドブックでも必ずと言って良いほど紹介されている〝今更感〟のある、ローマでは良く知られたポピュラーな被害。
ですが、2018年には〝在イタリア日本国大使館〟から注意喚起のメールが回ってくるほどに、今回のような邦人男性の被害が多発しています。
多くの方が渡航前に知識として知ってはいても、実際にそのケースに遭遇した場合、頭では分かっていながらも、勧誘者の巧みな話術によって「自分が被害に遭っていること」に気付けないでいるケースも多いです。
覚えていて欲しいのは、それは被害に遭われた方々が〝鈍い〟などというものでは決してないということ。
今回ご協力いただいたOさんの場合も決して特別なケースではなく、勧誘役の男性は本当に自然な形で会話を盛り上げて、相手に疑わせることなくスムーズにお店へ連れて行くプロ。
完璧な〝旅行者としての背景設定〟と、大企業で働いていること、フレンドリーな態度で相手を安心させ「これから友達と飲むんだけど、一杯おごるからどう?」の誘い文句。
その一杯の代償は、お金だけではなくて被害に遭ってしまったことへの精神的なショックもまた然り…。
自分が「被害に遭うことはない」とは決して思わず、「自分も被害に遭うかも知れない」ということを常に念頭に置くことで、どのトラブルも未然に防ぐことのできるものばかりなので、自己過信をしないことが大切。
イタリア旅行の際は〝タダより高いものはない〟ということを肝に銘じておきましょう!