始まり、おじいちゃん職人との出会い。

私は、すぐに職人さんが作るものに一目惚ればかりしてしまう。

ちょっといびつだったり時には手作り感があるけれど、そんな「人の手」の温もり を感じるハンドメイドのアイテムに何だかいつも惹かれてしまう。

そんな訳で、ローマに来たばかりの頃はガイドブックを眺めては工房兼ショップを探したりなんかしていた。方向音痴なので道には迷うし、小心者なのでイタリア語にひたすらビクビクしたりしながら...

ある日、暇つぶしに見ていたネットで老職人の小さな工房を見つけた。仕事が休みの日、地図を片手に住所を頼りに工房を探しに出かけてみた。やっと見つけたのは半地下のお店の小さな入口で、勇気を出してガラス扉を押してみる。

 

何だかちょっと時代遅れで、古めかしい感じの店内。

 階段の右手側にある工房で、若い職人とおじいちゃん職人がおしゃべりをしながら作業をしていた。ローマ弁で早口に話す2人、まず何を話しているのかよく分からない。

おじいちゃん職人はイタリア人らしいおしゃべりさんで声も大きい。若手職人ルイージはイタリア人にしては口数は多くないけれど、優しくて親切。緊張しながら、勇気を出して「私、職人さん作る革のバッグがすごく好きなんです。工房を見てもいい?」と言ってみた。

 もちろん、全然頼もしくもない私の下手くそなイタリア語

 おじいちゃん職人は、やっぱりローマ弁でおしゃべりをしながら私の目の前でバックを作る。何か話さなきゃと思って、私がトンチンカンなことを聞く。

 

「・・・本物のエリザベス・テイラー、キレイだった?」

 

 おじいちゃん職人が答える。

 「そりゃもう、とっびきりの美女だったさ。アメリカの俳優...う~ん、何て言ったかな?彼の靴もずいぶんと沢山作ったもんだよ。」

おじいちゃんは続ける。

昔はね、すごく流行ったんだ。高価なハンドメイドは今はもう誰も買わない、だから今はバッグの修理で生計を立ててる。今の時代、壊れやすくても安いバッグの方が売れるんだ。」

 

今までは、きっとバッグのデザインしか見ていなかったであろう私。目の前で革のパーツが形になっていくのを見ながら、〝誰がどうやって作って、それがどこから来たのか〟なんて考えたことあったかな...と、ふと思う。

 熟練した手つきで進んでいくおじいちゃん職人の作業に、ただひたすら見とれる。

 この素晴らしい技術が、もう少しでなくなっちゃうかも知れないんだ・・・。「おじいちゃん職人の素敵な物語も、素敵なバックも、少しでもいいから今に残したい」。

 とりあえず、〝失われつつある素晴らしいモノを今に残したい〟という勝手な思いの誕生の瞬間だ。

とはいえ、私は特別な経歴も素晴らしい略歴もない単なる普通の人。ましてや、この国では外国人だったりする。...ハッキリ言って、勇気がある方でもない。

大学でマーケティングを学び、イタリア語も英語もフランス語も堪能で、思いっきり信頼のできるアメっちゃんに想いをつたないイタリア語で話してみる。今思えば、きちんと内容を説明できていたかも謎だったけれど、外国人ふたりの凸凹コンビ、スタートはここから。

 

商品撮影だってこんな感じで悪戦苦闘。…要するに、素人!撮影セットはamazonで購入。

 腰の痛さと戦いながら、こんな姿勢で頑張った商品撮影。

アメっちゃんと2日間かけて、何とか終了。

 

どんなに素晴らしい目標があっても、現実はやっぱりそんなに甘くはない。手作り感と必死な気持ちだけで焦ったり、いっぱいだったり。それでも、カタチにしようとする努力があれば、きっと少しはカタチになったりもするのかなぁとも思ったり。“ 素人だからこそ、素人にしかない感性だってきっとある” ハズ。・・・うん、あったら良いなと思う

「〝 意図したこと 〟が〝 結果 〟になる」

落ち込む時は、誰かに教えてもらったこの言葉を思い出す。

父へおじいちゃん職人のブリーフケースを買った。父の使うブリーフケースの変化が、おじいちゃん職人と私の日々。

 

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店長の makico です。イタリアの職人さんたちが作る素晴らしいハンドメイド商品を少しでも多くの方の元へ届けたいと思い、無謀にもイタリアでゼロから起業!ショップの事、商品のこと、職人さんの日常、イタリア情報、海外起業「為せば成るのか?!」奮闘あれこれなど、気ままにお届けしていきます☆*.。

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